仙台中央交通は宮城県仙台市を中心に路線バス網を伸ばす会社です。鉄道部門は仙台から仙台市北部ニュータウンを抜け古川市までの本線がメイン路線。その終点の古川市のはずれのショッピングセンターの裏手に古川支線の小さなプラットホームがあります。旅客輸送の主役をバスに奪われてしまい、最新型のバスが走り去る横に古ぼけた電車がやってきます。大きなショッピングセンターとはまったく似つかわしくない、時代に取り残されたような光景がここから始まります。
路線は古川から西へ中新田町、宮崎町を通り蓬莱温泉までを結んでいます。古川を南向きに出発した電車は大きく右に曲がり国道をアンダークロスして進路を西に向けます。沿線は宅地開発が進んでおり出発後暫くは列車の車内も乗客でにぎやかです。
さらに西進すると周りの景色も古い町並みが多くなってきました。中新田町、宮崎町と町外れの小さな停車場をこまめに止まっていきます。そうこうしているうちにだんだんと山並みが近づいてきました。正面にきれいな姿の蓬莱山が見えてくると終点の蓬莱温泉に到着です。川沿いの小さな停車場に列車はゆっくりと止まり、数人の湯治客を降ろし、僅かな折り返し時間の後、また列車は来た道を戻って行きます。