塗装に必用な道具をまとめます。私の場合は実家のガレージ塗装を行いますのでこんな事が必要になります。塗料、シンナー、それから大事なピースコン、割り箸、ドライバー、ピンセット、カメラ用埃吹き等など。最後の2つは埃対策です。('01,9,26) |
車体洗浄です。前日にクレンザーなどを用いて十分洗っておきますが塗装当日直前最後は中性洗剤を用いて洗浄します。この車体洗浄ですがかなり重要ですので慎重に念入りに行って下さい。油分や汚れが残っていますと塗装後塗膜が剥がれ落ちてしまいます。'01,9,26) |
もちろん車体以外の床板や台車、屋根上機器、窓サッシなども洗浄しなければなりません。くれぐれも小さい部品を流してしまわないように。('01,926) |
当然と言えばそれまでなのですが車体とともに十分に水分を取って下さい。もちろんドライヤーなども用います。('01,9,26) |
パーツ類は乾燥させた後写真の様にダンボールなどの上に両面テープでとめて行きます。注意すべき点は両面テープの接着力が以外と強いのでパーツの本の一部分のみをテープに止めるようにします。台車等は問題ありませんがサッシなどの平らなパーツは塗装後はがす時に曲がってしまったりします。('01、9,26) |
まとめて塗装する為に他の車両も写っています。塗装直前は再度天日に当てて水分を取り除きます。天候ですが春秋の天気の良い日とよく言われますが、一番の基準は風の無い日を選んで下さい。それ以外は真冬でも真夏でも塗装には影響ありません。さていよいよ塗装です。次回更新では塗装方法や必要な道具をご紹介します。('01,9,26) |
いろいろな塗装方法がありますが、少なくとも車体にはピースコンなど美術用のスプレーガンを用いたいところです。缶スプレーも手軽で便利ですが一缶で塗れる量が少なく費用がかかってしまいます。何より粒子が大きく折角のディティールを潰してしまいます。ただ先述の通り手軽さだけはいかんともしがたい魅力で初めて工作される方は必要な色が発売されている場合、是非利用されて見てください。私は台車や屋根上パーツなど艶消しのものにはこの缶スプレーを愛用しています。写真右がそれです。ただし明灰色の艶消しは鉄道カラーや通常の缶スプレーでは発売されていません。写真右の缶スプレーですが飛行機模型用の缶スプレーに艶消し灰色が数多く発売されておりこれを利用します。('01,10,25) |
スプレーガンですが通常は写真のようにコンプレッサーにつなぎます。写真のものは非常に古い物で今から20年以上前に購入したものですが未だに絶好調です。当時5万円近くしましたが今ではもっと高性能のものが安く発売されています。これが大袈裟という場合上の写真にありますエアー用の缶がありますのでこれを用いると缶スプレーのような手軽さで細かい粒子を用いた塗装が出来ます。後で述べますが塗装は一回で上手くいくものではありません。何回も修正を加えていくのですがこれは缶スプレーの様な粗い粒子のものでは不可能です。塗装に関してだけはいい道具を揃える事をお勧めします。塗装名人のginga92さんいわく「塗装だけは技術を金で買う」というお言葉がずばりそのものを表しています。('01,10,25) |
その他小物です。ハケやピンセットは埃対策上必需品。それから意外と困るのがマッハの缶ラッカーを開けるときに必要なドライバー等。いざ塗る段階になってからごそごそ立ち上がると折角落ち着いた埃が再び舞ってしまいます。私はあまりしませんがマスクも健康上少しは効き目があるかもしれません。('01,10,25) |
「塗装」
まずはシールプライマーを吹きます。これは金属と塗料の食い付きをよくするもので金属に塗装する場合必需品です。次いで1色目を吹きます。原則は薄い色から。今回はオレンジから吹きます。塗装ですが言葉で説明するのが難しいのですが「吹く」のではなく「塗料を乗せる」感覚です。吹き不足は艶が出ませんので絶対避けてください。光に反射させればよくわかりますが適量塗料が乗ると表面が濡れた感じに反射します。ただし吹き付け過ぎると塗料がたれますので注意してください。艶を出すために少量リターダーシンナーといい乾燥が遅くなる物を混ぜることがありますが、塗料が垂れるのを防ぐためにお勧めしません。ちなみに私はリターダーシンナーは一切用いていません。後はスプレーガンのさばき方を習得すれば意外と簡単です。ガンさばきで一言言えるのは必ず一方向に動かしてください。一部分を行ったり来たりして塗り上げていくのは均一に塗料が吹けずまた、塗料の垂れの原因になります。('01,10,25) |
一色目の塗りあがりです。一番右のおでこに光を反射させて見ました。このてかてかが出るように塗装すればOKです。いきなり車両に吹かず他の物でちょっと練習してみればすぐに上手くなると思います。('01,10,25) |
車体が乾燥するまでの間に缶スプレーを用いてパーツ類の塗装をします。スプレーガンの場合と違いさっと吹きます。とにかく吹き出される塗料の量が多いですので十分気をつけてください。艶消しですので艶を出す必要がありませんので塗料を乗せる感覚ではなく、あくまでもさっと一方向に吹きます。('01,10,25) |
ある程度乾燥させたら2色目を塗装するために1色目を残す部分にマスキングテープを貼ります。塗装後1日2日ですと2色目塗装後テープをはがすと塗面が少し荒れてしまいますがこれは上塗りをした時点できれいになりますので気にされないでください。通常ガラスに一旦貼り新しいカッターナイフの刃で切った面を使ってマスキングしますがテープをそのまま用いた場合とあまり差がありません。私は細かい部分などに用いる小片を切り出すためにだけガラスに貼っています。('01,10,25) |
上述のようにして切り出した小片を用いてドアなど段差がある部分などに細かくテープを貼って行きます。このとき注意すべき点は塗り分け線が乱れないこと。真っ直ぐな塗り分け線は最初に述べました線と角の出た工作の最も目立つ部分です。紙切れに車体下辺からの塗り分け位置を記し、これを用いて車体の適当なところに塗り分け位置をマークしてゆきます。ケガキ針で記すもよし、鉛筆を用いるもよし。ただしインク類を使うと塗装後浮き上がってきますので使わないようにしてください。('01,10,25) |
前面の塗り分けです。曲線部分がない為そう複雑ではないにせよ簡単な塗り分け線ではないため細かく切ったテープを用いて慎重に貼ってゆきます。今回の車両は塗り分け面が雨どいを含め4本ありますのでかなりしんどい方です。今回1両大体1時間を要しました。マスキングだけはいくら時間をかけてもかけすぎではありませんので丁寧な工作を心がけてください。('01,10,25) |
2色目を塗装後マスキングテープを剥がす瞬間が何より最高の時です。と同時に落胆することもたくさん出てきます。マスキングが完全ではなく2色目が塗り分け線をはみ出していたり、隙間から吹き込んでいたり・・・。でもここからが腕の見せ所。判り難いのですが写真の場合おでこに青が吹き込んでいますが、十分乾燥してから斜めに切った割り箸の先に#1000位の耐水ペーパー片を貼り付けた冶具を用いて慎重に削り取ります。塗膜を削るという事が意外かもしれませんがこれがラッカーを用いている最大の長所。後述する上塗り用のクリアを吹けば耐水ペーパーによって出来た塗面の曇りはきれいに取れてしまいます。またクリアを吹かなくともシンナーを拭くだけでも同じ効果が得られます。('01,10,25) |
埃の付着なども同様に修正しいよいよ細かい部分の色入れです。ワイパーやサッシ部分にシルバーを入れます。銀色はGMの鉄道カラーが一番粒子が細かく金属っぽく見えますが各所用途に合わせて使い分けましょう。上塗りにラッカーを用いますがこの程度の面積の場合エナメル系などのものを用いても問題ないようです。とにかく塗装は失敗してもいくらでも修正できますのでどんどんトライしてみてください。('01,10,25) |
塗装後取り付けることにしていた幌枠を少量のエポキシ系ボンドで取り付けます。塗装後ですのでできるだけボンドがはみ出さないようにしてください。ただ最悪はみ出しても塗料のはみ出しと同様いくらでも修正できますのであまり心配は要りません。次いで幌枠に取り付ける手摺。これはキットに入っているものが折り曲げ位置が大きすぎて使えません。写真右下の2本を比べてみてください。上がキットに入っているもの。下が取り付け可能なものです。キットのものを曲げなおすか0.4mmの洋白線を用いて作ります。('01,10,25) |
手摺の取り付けは少量のエポキシ系ボンドを用いるのが良いのですが、今回はシンナーによる仮止めをしました。写真のように面相筆で少量のシンナーを取り付け部につけると塗料が接着剤の代わりになり固定されます。前後しますが修正を初め細かい部分の色入れには面相筆といわれる人形の顔を描く筆を用います。これも先述の通り安物は出来るだけ避けてください。写真に写っているものは800円しますが最低これくらいのものは必要です。私も最初「だまされたと思って」という模型屋さんの言葉を信じて購入したのですが本当に色入れが楽しくなるくらい上手く色入れが出来ます。もちろん指先の震えもぴたりと止まりました。('01,10,25) |
さて漸く修正箇所も全て修正できました。塗装後ここまでが結構時間がかかります。でもよほどのことがない限り塗り直しの必要がないことがお判りいただけたかと思います。スナックカーの方でアクシデントがありましたがこちらも色剥げに関しては塗り直しなしで修復していますので是非参考にされてください。(スナックカーのコーナーへ)('01,10,25) |
次にナンバーを貼ります。今回は金属インレタを用いました。エンドウのキハ181系用を用いています。文字間隔を均等にまた、文字がゆがんだりしないように慎重に。この後インレタの保護、洋白部分の変色防止、修正部分の艶出しのために上塗りをします。クリアラッカーという透明な塗料で通常これに艶を落とすフラットベースというものを少し混ぜて吹きます。今回は艶ありテカテカ仕様にするためフラットベースは混ぜませんでした。この上塗りですがメーカー完成品などは行われていないようですが是非行ってください。('01,10,25) |
次は屋根の塗装です。但し車体はこれ以上上塗りをしませんので上塗り後最低1週間は乾燥させてください。但し万が一屋根塗装後テープを剥がしたとき塗面が荒れてしまっても先述の通りシンナーを荒れた部分に吹けば元通りになります。ポイントはインレタ部分に直接マスキングテープを貼らないこと。テープを剥がすときにナンバーも同時に剥がれます。昔、色ナンバーを表現するために用いたインレタマスキングですがここではとんでもない事になりますので写真のように紙切れを挿んでマスキングします。('01,10,25) |
これで塗装終了です。通常屋根は艶消し塗装をします。写真でオレンジ色部分の差がお判りいただけるかと思います。今回はマッハ模型のものをそのまま使いましたが、黒を混ぜて暗めにしたり色々と変化を持たせてみてください。('01、11,7) |
最後になりましたが塗料の種類について。左から水性塗料、プラ系カラー、ラッカー、アクリル塗料、エナメル塗料、それぞれの上に専用溶剤。一番右上はシールプライマーとリターダーシンナーです。水性塗料は水で薄めることが出来ます。プラ系カラーはプラスティックに塗ることが出来ます。ホームセンターの塗料コーナーで「薄め液」として売られているシンナーが薄め液として使えます。ラッカーはプラスティックを溶かしてしまいます。もちろんプラ系カラーの上から塗るとプラ系カラーの塗面も犯してしまいます。同じく「ラッカーシンナー」として売られているものを溶剤として使います。ラッカーには薄め液も使えますがラッカーシンナーをプラ系カラーに用いると固まってしまいます。アクリルやエナメル系はそれぞれ別物です。専用溶剤を用いてください。アクリル系塗料は筆を水洗いできるなど細部の色入れにはもってこいですし筆むらが出来にくく小物の塗装にも適していると思います。通常鉄道模型の車体にはラッカー系の塗料を吹き付けで用います。('01、11,7) |